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運命の日 × 1992年 4月 25日
1)
この日、十代の教祖,若者の代弁者と呼ばれ熱狂的な支持を集め日本ロック界のカリスマと言われたアーティスト尾崎豊が26才という若さで急死した。
尾崎の体には無数の傷があり右目の瞼は殴られたように腫れ上がりあまりにも異常な死に様に事件に巻き込まれた可能性を疑った警察が尾崎の遺体を司法解剖へ回した。東京医科歯科大学で行われた検死の結果、尾崎の体内からは致死量の約2.64倍にあたる覚せい剤が検出されたという。
所轄する千住警察署は当初、尾崎が何かしらの事件・事故に巻き込まれた可能性を疑い覚せい剤が検出された事実は公表せずに死因を『 飲酒による肺水腫 』とだけ発表した。
聞きなれないこの『 肺水腫 』という死因
3)
千住警察署の初動対応はどうしても腑に落ちない。あたかも恣意的に捜査回避を図ったかのように感じ到底納得できるものではなかった。
尾崎の死後7年ほど経った頃、写真週刊誌FRIDAYが救急搬送された病院で救命措置を受けている尾崎の写真をスクープした。
全身傷だらけで右目には殴られた様な痕があり想像を絶する程に変わり果てた尾崎のショッキングな姿に、改めて不慮の事故死とする説、ましてや繁美夫人が主張した自殺では決してない別の原因があるのではないか?と急死についての関与を噂されていた繁美夫人への疑惑はより深まっていった。
明らかな事は尾崎の死因は致死量の約2,64倍にあたる覚せい剤の過剰摂取(DrugOverDose)によって引き起こされた肺水腫という事実だ。
なぜ警視庁並びに千住警察署は尾崎の体内から検出された致死量の約2,64倍にあたる覚せい剤(※メタンフェタミン約3㌘=当時の末端価格にしてなんと約20万円分というとんでもない量)の入手ルートと、それがどのようにして尾崎の体内に入ったかという点を捜査しなかったのか。
そこが最大の疑問であり尾崎の死の全容を解明するためには必ず調べなければならない重大事だ。そしてまた同時に別の疑問も浮かんでくる。それは・・・
そんな多量の覚せい剤を尾崎が自分で飲んだのか それとも意図しない状況下で体内に入ったのか(※胃内から見つかっている事から経口摂取したとされた)真実はどちらなのか。尾崎をあのような無残極まりない死に追い込んだ原因は何か?
それによって尾崎の急死は相反する性質を帯びてくる(※もっとも覚せい剤が検出されただけでも犯罪なので警察が対応すべき問題になるが仮に尾崎が自分で覚せい剤を摂取していた場合は容疑者死亡になるので警察がその後に入手先などの捜査自体を行わない事もよくあるという)
6)
一部の少数派が推測したような捜査を打ち切りの方向へと誘導した何かしらの圧力が実際に介在していたならば、その力は計り知れないほどに大きくて恐ろしいものだ。
現に尾崎の急死直後には真相解明のために伏せたはずの覚せい剤の存在が、いつの間にかそのまま無かった事にされている!
捜査当局がこの点を看過せずに職務に忠実な対応をしていれば今日まで続く死因についての論争は起こっていなかったと断言できる。
我々、有志団体である NEO_ISOTOPEは深い疑惑の闇の底に沈んでいる死の真相・真実を必ずあぶり出し社会に広く知らしめ長らく続いている論争に終止符を打つ事を尾崎に誓う!!
2)
尾崎が民家の軒先に迷い込んだ前後(※小峰さんが最初に尾崎を確認したのは午前3時頃であったと証言している)に経口摂取した致死量以上の覚せい剤の影響が出始めたと推測される。
尾崎はきっとそれまで味わった事のない様々な症状に襲われあまりに多量であった為に急性覚せい剤中毒に陥ったと見られている。小峰さんはその症状に悶え苦しむ尾崎の姿を警察が到着するまでずっと観察していたという。
尾崎はその耐え難い苦痛に襲われ上昇した体温の熱に耐えられず服を脱ぎ去り、かゆみを抑える為に精一杯の力で全身を冷たい地面に擦りつけていたと思われる。
4)
先述したFRIDAYが凄惨なBLUE EYEの尾崎の写真と共に死体検案書も掲載したが更に後年、その死体検案書を記し尾崎の解剖を担当した法医学者である支倉逸人 氏(Hashekura-Hayato )が『 検死秘録 』という本を出した。
その中にはこれまで捜査当局から依頼され支倉氏が行った複数の解剖の一例として尾崎を解剖した時の状況と推察される表現で尾崎の遺体の状態を詳細に記述している箇所がある。その中で支倉氏は尾崎の遺体から検出された内容物が覚せい剤であった事を担当の検死官に伝えた時のやり取りを次のように書いている。
支倉氏:
これはどう見ても 『 覚せい剤中毒だね 』私が検死官に報 告すると、なぜか彼は困った表情を浮かべた。
検死官:
『 うーん、覚せい剤ですか。覚せい剤の捜査となるとまた別の捜査が必要になりますねぇ 』そしてしばらく思案を巡らせてから " 死因としては直接死因の肺水腫というところだけ発表しましょう " と一人、納得していた。覚せい剤による中毒死となると他課との調整が必要だ。入手先の捜査のためには、ここで覚せい剤が出たことは伏せておかなければならない、そう考えての発言だろう。❝ 引用元: 検死秘録(光文社)支倉逸人著 ❝
閉ざされた真相究明への道
5)
この事実は非常に重要で司法解剖で死因が分かった段階では警察は少なくとも急死の原因を調べて全容を解明するための捜査へ着手するつもりでいたはずだ。その為に覚せい剤が検出された事実を伏せる必要があったのは支倉氏も指摘している通り当然の判断だ。
問題はその後、警察内部でどのような協議を経て事件性無しと結論するに至ったのか。そのプロセスがまったく不透明なままであり、この警察の隠ぺい体質がもたらした1点にこそ、全ての尾崎問題を生んだ根源がある。
初動の過程で急死への疑問がうやむやになり未解決のまま放置される結果となった事実は捜査機関の重大な過失であり,それは警察組織に蔓延する体質=怠慢・ご都合主義の表れであり責任はあまりにも重く断罪されるべき失態だ。